この音と、この香りで、芝居を演出!

娘が、ひとり芝居『売り言葉』を1月7日に、東京・北品川で上演したのですが、そのスタッフとしても、私も何かと関わりました。大きくは、衣装のきもの着付け担当で駆り出されたのが始まりです。そのことは、私のお手紙のブログ『言の葉の色香』にも、綴っておりますので、またお時間ある時に、覗いてみてくださいね。http://myclematis.exblog.jp/17353154/

その芝居に、欠かせない演出効果に、BGMがあります。素人が上演する芝居ですので、プロのように、この芝居のための音源を作曲してもらうこともできっこないし、どなたかミュージシャンを雇い、舞台でバイオリンを弾いてもらうなんてことも、無理です。それで、手持ちのCDで、何かいい音源はないかしら?と、娘に訊ねられて、「ある!」って、即答したのがこの音源でした。

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“Suite for Fragile Chamber Orchestra”
フラジャイル室内楽団のための組曲



オートマタ、それはカラクリ人形のこと。

「フラジャル室内楽団」とは 

オートマタ作家・原田和明による、

音にまつわるオートマタ連作。

どこか懐かしく、どこか可笑しい、

カラクリ仕掛けの面々「フラジャイル室内楽団」のために

生駒祐子が書き下ろした組曲。


試聴
http://soundcloud.com/windbell/sets/yuko-ikoma-suite-for-fragile/

生駒祐子
http://www.yukoikoma.com


原田和明(二象舎)
http://nizo.jp




このCDとの出逢いは、昨年の秋、このブログにも綴っていますので、詳しくは、そこも読んでもらえたら、なお理解してもらえると想います。http://mycreateur.exblog.jp/17028496/

その時は、自分のアロマのセミナーにBGMで流すために購入し、オートマタ作家の原田夫妻にもそう話して、喜んでもらえたのですが、まさか、このCDが、娘のひとり芝居にも活躍することになるとは、その時は知る由もなく…。でも、今回、これを使用するとなった時、これ以上、ぴったり、芝居の効果音になるものは、有り得ないと想える程、スリリングな響きがたくさんありました。それは、今回、娘が上演する『売り言葉』は、智恵子抄の話しがモチーフになっている内容でしたので、主役の智恵子さんの心情が、音源で表現できるものを探していたのです。それに、まさに、ピタリとはまったカラクリ人形の儚く妖しい音の響きは、木が擦れる心の軋みのようでもあり、とても、ジーンと響いてきました。特に、智恵子が後半に、絵描きでは、儲けることもできず、光太郎との暮らしも貧窮にあえぎ、家計を成り立たせるために、筆を折り、機を織るシーンがありますが、そんな音に、最適な機を織る音源がこのCDには収められていたのです。

もちろん、このCDを舞台に使用するということで、まず、私は、オートマタ作家で、京都の作品展で親しく会話ができて顔見知りになれていた、原田ご夫妻に許可を得ました。ご夫妻は、快諾してくださりましたが、作曲家とレーベルに最終的に許可をもらってくださいということになり、この音源のレーベルと、作曲した生駒祐子(アコーディオン演奏家)さんにも、メールで許可をもらう幸運に辿りつきました。それは、JASRACジャスラックhttp://www.jasrac.or.jp/に使用許可を得て、申請もしなくてならず、なんせ、初めての許可申請ですので、東京の娘にそれを伝え、期日を護り、その申請も無事に終えて、本番を迎えたのです。ここでも使用料が必要になりますが、この芝居は、野田秀樹の脚本でしたので、この脚本を使い、舞台をするとなると、これにも使用許可と使用料が派生するということを娘から訊き、素人が舞台を本格的に上演するには、どれだけの経費が必要になるのだろうかと、恐れ慄きました。因みに、娘は働く社会人。素人演劇乍、暮れのボーナスの全てをこの芝居にかけたそうです。今風のお嬢さんたちがそうであるように、ブランドおしゃれに注ぐことも、海外旅行もできたであろうに…それを、演劇に費やすとは、我が娘乍、見上げた根性です。(笑) チケットは、1コイン(五百円玉)だけでしたので、そりや、もう赤字覚悟は、承知の上。観に来て戴けたお客様が、帰る時に、この御代では、もったいないと言わしめる見応えがあったと感動して欲しさに、とは、いえ。いやはや…欲のないこと。

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c0203121_17475493.jpgさて、もう一つの陰の立役者は、アロマの香りの演出です。この提案は、本番が近付いてきて、娘が、最期にレモンを齧って、死ぬ。智恵子さんの心情に寄り添い、レモンの香りが会場で飛ばせないかしら?と言い出したことが発端です。しかも、スプレーのようなシュッシュ―と音の出るのは芝居のシーンからいっても興醒めだから、母さんダメよというご注文。その瞬間だけレモンの香りを飛ばすのは、広い会場では客席まで瞬時に感じてもらえるようには、そのスイッチを押す黒子の人手もなく、無理難題でしたので、器具となるアロマディフューザーも音が出るし、目の前の人には吹き付けることができても、遠くの方には、そのシーンだけでは、到底無理だと話して、実現は、無理の方向で傾きかけていたのですが…私自身が、アロマコーディネーターでありながら、娘が馨りを欲しているのに、してやれないもどかしさもあり、最後の最後まで、検討しつつ、こういうことならできるかも!と、手持ちのアロマポットを使用して、会場の隅に置き、ゆるやかに、常に、会場に、レモンの香りが馨る効果をあげました。


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この際、使用したアロマのエッセンシャルオイル(精油)は、レモンだけでは匂いが薄いので、レモングラスもブレンドして使用しました。そして、ここでも感動のエピソードがあるのですが、この時使った、アロマポットは、数年前に、娘が私の誕生日プレゼントにと贈ってくれていたものでした。たまたま、数ある器具の中でも、行燈のように、和風の雰囲気を持ったアロマポットがコレでした。会場と、お芝居のムードを台無しにしないように、洋風のアロマポットは使いたくなかったので、本当に、絵に描いたように、この行燈タイプのアロマポットは電源で温度を温めるタイプでしたので、蝋燭を灯すように、火の危険性もなく、最適な器具が手元にあったのは、幸運でした。その効果も、客席で感じ取ってくださったお客様も何人かおいでたようで、ほっとしています。


c0203121_18105183.jpgアロマの香りは、このポットだけでなく、受付の正面の白壁に暖簾のように飾っていたお客様をお出迎えする日本手ぬぐいの二本にも、時々、私がブレンドしたアロマスプレーをかけて、人が通りぬけたとき、レモンの香りを感じてもらえる演出もしてみました。




こうして、音と、香りで、芝居を演出できたのも、私の周りには、そういうモノが溢れていて、いざとなった時に、効果を演出して、私を助けてくれているんだわと、嬉しくなりました。あなたの周辺にもありませんか?音と香り。あなたを心地よくしてくれるモノたち。愛しい音楽やaromaの香りは、心身に潤いをもたらす豊かな精神的なartだと私は信じています。
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by aroma-createur | 2012-01-29 18:32 | LIVE