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香りが、人の心を揺り動かす。


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このアロマのブログも、あの311大震災以降は、なかなか、綴る気持ちにもなれずにいたのですが…、先日、友人から、こんな素敵な香水をお土産で頂き、ハッとしました。金沢土産で頂いた香水の名は、金沢オードパルファム、その名も“金沢の香り”


この街の香りを、纏ってください。
http://www.kanazawa-kankoukyoukai.gr.jp/eaudeparfum/index.html

金沢市観光協会と資生堂とのコラボで、2006年に商品化しているものだそうです。





受け取ったとき、アロマをしている私は、すぐに、その香りの持つイメージを大切に感じ取る癖があります。頂いて、すぐその場で、この香水をハンカチにスプレーして、香りを嗅ぎ取りました。フォローラルな花のアロマに、お香のような渋さも微かに匂ったようなので、「オードトワレなのに、梅の花とお香ににも似て、和風の雰囲気が漂うわね」と、告げると、友人は、この香りのことについての薀蓄を、いろいろ検索してメールで送ってくれました。
なるほど、街のイメージの香りね。金沢の尾山神社境内の梅から採取した香りをベースに、お香の香料も加味されているのね。しかも、専用紙袋の紫は、金沢のイメージカラーとか。化粧箱の黒にKANAZAWAの金文字は、伝統工芸の金箔を彷彿させる秘め技があるのね。なかなか、多方面から、考案された優れモノなんだわと実感しました。

そこで、私が、ハッとしたのは、このキャッチフレーズに込められたメッセージ性です。コピーライターを生業としている私にとって、常に、COPYには、敏感です。そこに、正に、時を得たり!と、飛び込んできたのがこのキャッチ。

“この街の香りを、纏ってください。” 

と、いう言葉をよくよく肌身に感じたら、

今回の被災地、東北でも、何か復興の時に、このような香水やアロマが、街の情景を閉じ込めた香りとして、役立つ観光土産になれないかしら?

もちろん、メッセージ性だけでなく、アロマセラピー、香りが人の心にもたらす効果は、凄いものがあること、私はアロマに関わってから、たくさんのエピソードを見聞きしています。香りにより、人が記憶を呼び戻すことができること。香りにより、心が癒されること。香りにより、傍にその人がいるかのような安らぎを覚えること。香りにより、今は亡き人を偲び、心が浄化されること。被災地でも、気分が落ち込んでいる方には、心が和むアロマがあれば、どんなに心模様が晴れるでしょうか。

東北の街並みにも、その土地、風土、文化に、マッチした素敵な香りがあるはず。その香りを閉じ込めたオリジナルのアロマがあれば、故郷を愛していけるはず。いえ、故郷という名の母や、父に、抱かれているような気分にも浸れるはず。被災地の観光復興のヒントになればいいなと、このボトルを眺めながら、つくづく、つくづく、感じる私です。

この香水を、お土産に選んでくださった友人に心からの感謝を込めて、やっと、アロマのブログを綴る気持ちになれたこと、この金沢の香りが、私に、そっと背中を押してくれたこと。私の心身は、絶対に、忘れないことでしょう。また、一つのアロマの扉の My Memory が増えたようです。

話は飛びますが、北朝鮮に拉致された、二人の少女。あの、横田めぐみさんと、曽我ひとみさんのことで、心に沁みるアロマに関する秘話があります。曽我さんは、一時、めぐみさんと一緒に拉致された北朝鮮でルームメイトのように暮らしたことがあったそうです。その時、自分の母親の匂いを具体的に思い出しながら、語った時、めぐみさんは、お母さんがいつもつけていたやさしい花の香りの香水、オードトアレが懐かしいと。一方、曽我さんは、ミシン工場に勤めていたお母さんの、ミシン油の匂いが、母を感じる懐かしい匂いだと。

この二人の香りに関する懐かしさの相手は、母親です。母を感じ取る香りが、こんなに対照的でも、それは、その人にとっては、かけがえのない癒しであり、これぞ、アロマセラピーなのだと、私は強く、感じています。今回の被災地でも、きっと、きっと、かけがえのない人を偲び、恋しいと感じるアロマが必要になる時が来るのではないでしょうか?






なお、ご参考までに:
この香水の発売元、金沢市観光協会のHPによると、この香水誕生のルーツはこんな感じです。本文の一部を抜粋させて頂きます。(HPアドレスは、上記に記載済み)。

この商品は、「梅」の香りを開発のテーマとしました。「梅」は金沢にゆかりのある加賀百万石前田家の「梅鉢紋」にはじまり、金沢市の市章として市民に親しまれ、また金沢市の市木でもあります。この商品に使用されている「梅」の香りは、2005年3月に、尾山神社境内の「梅」を採取しました。採取した数種の「梅」の中には、前田利家公入城400年記念献木「淋子紅梅」も含まれています。
この香りには、梅の香りと同時に金沢文化を表現する和のテイストとして、お香などにも用いられ高級香料原料とされる「黒方(くろほう)」も調合されており、金沢の奥ゆかしさも表現されています。

by aroma-createur | 2011-03-28 19:31 | プレゼント